2014年12月4日木曜日

備忘録-土屋産婦人科の初診へ-

12月4日
早速予約した個人病院の初診へ向かう。
初診問診票に諸々記入し、16日ぶりの腹の子との対面に緊張しながら時を過ごす。
前回は胎のうの確認しか出来なかったので、きちんと育ってくれているのかとても不安だった。
この16日の間に何度妊娠検査薬を試し、二本の線が出ていることに安堵しただろう。
どうか育っていますように!と、泣きたくなるような毎日だった。

名前を呼ばれ、診察室に入ると初めましての先生が病院での確認は?やらやら、矢継ぎ早に質問をしてくる。
一つ一つにきちんと答えるも、先生と一度も目が合うことなく、経膣エコーの為の診察台へ促される。

足が震えている事に気付き、ビビっている自分に面白さを感じながら診察台に足をかけてその瞬間を待つ。

グリグリと器具が動き、ピタッと止まったそこに、腹の子は居た。
前回はただの黒い丸だった空間の中に何かがあって、小刻みに、手をグーパーしているように動いている。

心拍の確認=育っている

しっかり着床してくれたようで、第一段階は有難いことにクリア出来た!
「これが心拍ですか?生きてるんですか?育っているんですか?」
今度は私が先生に矢継ぎ早に質問し、全てにYesを貰った瞬間に涙が溢れて止まらない。
次の検診は2週間後と言われ、エコーを手渡される。
先生とは結局一度も目が合うことは無かった。

診察室から出ると心配そうな顔で待っている安澄。
思わずガッツポーズをすると、安澄は満面の笑顔で立ち上がった。

2014年11月23日日曜日

備忘録-初悪阻-

11/23
妊娠6週目(◯ヶ月では無く、週数で現在の状態を伝えるのは妊娠ならではの数え方だと思う)の日曜日。

妊娠がわかったといえど、まだ心音の確認も取れていないのでまったく実感が無い。
だって、ただの黒丸だったし。←前回の記事参照。

少しの変化も見逃さないぞ!と、ありとあらゆる神経を駆使してアンテナを張り巡らすも、いたって快調すこぶる元気!
勿論お腹も膨らんでいないし、乳房だって小さいまんま。

そんなわけで二人で銀座にお出掛けをした。
先ずはakomeyaという、米に合う諸々を扱っている店で1000円買い物大会を開催。
時間と金額を決めて各々欲しいものを購入し、後で見せ合うというだけなのだけれど、これがなかなか面白い。
あっという間にタイムアップを迎えて、購入品を片手に併設されている食事処で定食を食べることにした。


お値段もなかなか(確か2000円くらい)なだけあって、品数も豊富。そして何より白米にぴったりなおかずの数々に箸を持つ手も力が入る。
いただきますと手を合わせて食事を進めると、アレアレなんだかおかしいぞ‥と。
美味しいはずの諸々がなんだか美味しく感じない。
秋刀魚の大根おろし和えを口にした時から強まる口の中の違和感。
うーん。
この感覚はなんだろう。

それでも勿体無い精神で食べ進めようと試みるのだけれど、気持ち裏腹箸がまったく進まない。
あ!無理だ!とトイレに席を立つと、トイレの匂いが最後の一押しをしてくれて、呆気なくリバースするのだった。

嗚呼、ついに来たか。これが悪阻か。

と、これから始まる地獄を知らない私は、ようやく訪れた妊娠症状に安堵したり、喜んでしまったりもした。
胃のムカつきは二日酔いの苦しさを軽くした程度で、嘔吐物はすんなり吐けるのでむしろ二日酔いより楽とも言える。
日頃の訓練(ただの飲みすぎという自業自得)の成果がこんなところで活かされるとは!
なーんて少し自慢気になっていたあの時の私。
思いっきり平手打ちしてからギューっと抱きしめてあげたい。

一度吐いてスッキリした私は満面の笑みで席に戻り、ピースなんかしちゃったりして、初の悪阻症状を安澄に報告するのだった。


この時の症状
*頭痛
*眠気
食べれなくなったもの
*生物(刺身)
*玉ねぎ、長ネギ


2014年11月18日火曜日

備忘録-病院で検査-

11月18日
検査薬だけでは心許ないので、内膜症のチェックなどでお世話になっている婦人科へ。

尿検査はここでも陽性。
名前を呼ばれて診察室に入ると、当たり前だけれどいつもと同じ先生が座っていた。
早速経膣エコーの検査の支度。
下半身すっぽんぽんになり、誰にでもなく手を合わせてから検査台に足をかける。
カーテン越しに始まる検査。
組んだ指先がこれでもかというほど赤くなっている。
あっちこっちをグリグリされ、「これが胎のうです。」と、抑揚の無い声で言われた先を見ると、白い画面にぽつんと黒い丸が空いていた。
*胎のうは胎児が入っている袋。「胎のう」が子宮内にあるかどうか確認できれば、子宮外妊娠の可能性がなくなる。

全身の力が抜けた途端に込み上げる諸々を抑え込む為、ググッと歯を食いしばる(もし声を出して良い場所だったならきっと、低い雄叫びをあげていたと思う)。

支度を整え、診察室の先生のもとへ。まだ心拍の確認が取れていないのでなんとも言えないけれど、妊娠はしていると説明を受ける。

不妊治療専門の先生だからか妊娠に関してはとてもドライ。
ドラマのような拍手やおめでとうは無く、不妊治療は呆気ない卒業を迎えた。
妊娠は病気では無いので保険がきかず、お会計は自費にて一万円ちょっと。

外で待っている安澄のもとへ走り、唯の黒丸が写っているエコー写真を見せる。
壊れやすいものを扱うように両手でそっとエコー写真を受け取り、キューっと目を瞑る安澄。

今日はお祝いだー!ともつ鍋を食べてから帰った。
安澄はビール。私はノンアルコールビール。
会話の内容は専ら腹の黒丸について。


2014年11月15日土曜日

備忘録-初陽性-

11月15日。
一週間遅れているとはいえ淡い期待などもうしていない。
けれど今晩は我が家で宴をするので念の為サクッと検査をすることにした。
祈りながら検査をしなくなったのはいつからだろう。
手慣れた一連の流れを済ませて待つこと3分。
はいそうだよね。と涙を堪える準備をしながら小窓を覗くといつも出ている線が出ていない。
二つあるうちの二つが出ていれば妊娠。
一つだけならば違うという単純明快な検査薬。
一つも線が出ていないというのは何でだろう。

検査薬は二本セットで1200円位。
毎月涙を堪える為の道具としては高く感じるに十分な値段である。
なので、そっとキャップを被せて次回の尿意を待つ事にした。


一時間後、またまた一連の流れを試して待つ事3分。
小窓を覗くとしっかりとした二本の線が浮かび上がっている。
やっぱり‥。
失敗したものを使ったから変な事になってしまったのだと(勿体無さに)がっくり来るも、ハッと気付く。

もしもこの時が来たらこう言おうああ言おうと思っていたことは全て忘れて、ただ検査薬を差し出して号泣することしか出来なかった。

二人で腰を抜かしながら、ガシッと抱き合って笑う。
もう一度新しいもので試してからじゃないとわからないよ。
と、互いに言い聞かせるように、何度も何度も呟きながら。


*その後真新しい物で再度検査をしてもしっかり浮かび上がった二本の線。
これほど尿意が待ち遠しかった日は無かった。