2015年2月24日火曜日

贈り物

子を授かってから暫くの間、布団とトイレの往復だけの生活をしていた。
ほぼ2ヶ月休職させてもらい、ようやく復職出来たのは2月から。
子を授かった喜びは勿論あれど、情けなさや申し訳なさで不甲斐ない(やいやーな)2ヶ月だった。

仕事は主に座り仕事なので良いのだけれど、問題は家から職場まで約一時間半の通勤。
中央線と埼京線の混雑は元気な時ですら辛いものがあるけれど、2ヶ月引き篭もっていた身には想像以上だった。

ヒーコラヒーコラ優先席前に立つも、ほんの僅かしか膨らんでいない腹では席を代わってもらえるはずもない。
感染予防の為にしているマスクの影響もあって、呼吸もどんどん乱れてくる。
これは仕方ない。と、腹をくくり公共の(イラストが可愛すぎてちょっと躊躇していた)マタニティマークを鞄につけることにした。

だけれども。

マークをつけようが電車で席を代わってもらえる確率が増えるわけではなく、ユラユラ揺れるマークをぼんやりと眺めながら体も心もどんどんと疲弊していく。

2ヶ月まともに歩いてもいない身での仕事復帰に無理が出てきたある日。
安澄からプレゼントだよーと白い紙袋を渡された。

袋の中身は、安澄オリジナルのマタニティマークとエコー写真を飾れる写真立て!




普段イラストものを身に付けない私のモヤ〜っとした気持ちを汲み取って、仕事の合間を縫って作成してくれたマタニティマーク。

嬉しいとか、驚きとか、どんな感情とも言い表せない突きあがる衝動が体を満たし、ワーワーとはしゃぎまくりながら林家夫妻のようにただただ写真を撮りまくる私。



次の日からの通勤は心も体もとても快適で、お気に入りの物をつけている自信からか席を代わってくれることも増えたように思う。


一人でいる時でもなんだか守られているようで、私はすっごく強くなった。



*エコー写真はそのままだとなかなかリアルな代物だけど、写真立てに入れることで直視できるようになった。
これは私だけで独り占めするには忍びないほどの素敵さなので、子を授かった友達にはその都度贈り物にしたいと思う。

2015年2月18日水曜日

戌の日

犬の安産にあやかり、妊娠5ヶ月の安定期に入った戌の日(12日ごとに訪れる)に安産祈願をする風習がある。
ちょうど日曜日のお休みにあたっていたので、安澄両親と四人で大宮八幡宮へ向かった。

大宮八幡宮は東京のちょうど真ん中にあるらしく(?)へそ神社と呼ばれている。
へそ=臍の緒=赤子
ということで、子授けや安産に良いらしい。
私たちも去年今年と初詣はここでお参りをさせてもらった。

二つの色違いの子授け守りを各々で持ち歩き、安澄のお守りの紐が切れたその日に妊娠がわかるという不思議な現象が起こったこともあり、戌の日を迎えられた暁には大宮八幡宮にお参りに行くと決めていた。


なので、感慨もひとしお。
祈願の絵馬を書きながら込み上げてくるものを堪えつつ(もともと感涙屋だけれど、更に助長された気がする)、参拝に来ている同じ週数の妊婦さんに混じってお願い事を書いていく。



神事さんによる祈祷を済ませ、四人でお茶を飲んだり写真を撮ったり。
私たちは勿論だけれど、三星の両親もいつもより少し浮かれてくれていたような気がする。
(また後でしっかり書いておきたい!書かねばならぬ!と思っている悪阻地獄な日々の時も感じたのだけれど、三星両親の優しさや家族としての受け入れ態勢は半端ない。
三星の姓を名乗って一年と少しだけれど、私はすっかり二人の大ファンだ!
『お姑さんと出会えてよかった、と思えるほどしあわせな結婚はありません。また、そう思われるほど立派なこともありません。』
私の大切にしている本の一節。
本当に本当にそう思う。)


日曜のお昼時なので空いているお店も少なく、結局実家の近くのパスタ専門のファミリーレストランで昼食をとることにした。
四つの異なる味のパスタを四人で楽しいね〜美味しいね〜と笑いながらシェアをして、私と安澄はマットレス購入の為にホームセンターへ。

当初は一番安いの!と決めていたのに、結局は諭吉が何人も旅立っていった。
ギックリ腰癖のある私。
既に長時間歩くと夜中に一人で動けない程に腰が悲鳴をあげているからということで、安澄が奮発してくれたのだ。
まみの腰に優しいならば、安いもんだ!っと太っ腹。
その日は二人とも朝まで熟睡することが出来た(流石、カズが宣伝しているだけあった)。


2015年2月9日月曜日

5ヶ月検診

4週間ぶりの検診。
遠足前日のようになかなか眠れず、ぼんやりした頭で産婦人科へ向かう。

前回の検診で、腹の子は多才な猫パンチを繰り広げては我らを魅了したのだけれど、今回はグッスリ眠っているのか時たま顔を撫でるだけ。
大きさは掌サイズに、頭部は卵くらいに育っているそうだ。
想像していたよりデカい!

血液の結果で血糖が基準値を超えているので再検査。
前回は悪阻で何も食べれなかった時なのに、何故に血糖が上昇したのか。
看護師さんに質問するとあまりに足りないと身体が不足分を補おうと必要以上に分泌することもあるからそれかもねーとのこと。
身体は凄い!

50ccの甘いソーダを飲み、1時間待って血糖の上昇値を調べる血液検査。
見るからに痩せ細った血管からは少しの血液を取るのも一苦労で、看護師さん二人がかりで腕を温め、チューブで縛り・外しを繰り返してなんとか必要な血を取る事が出来た。

助成券があるのでお会計は3620円。

もう少し動いている姿を見たかったと私は思ったのだけれど、帰りのバスで安澄は始終可愛かったねーとウットリしている。
今回も育ててくれてありがとうと握手されて、検診は終了。
次回の検診はまたまた4週間後。




2015年2月6日金曜日

落し物が宝物に

雪が降るから早めに帰ってね。の言葉に有難く従い、昨日は5時に帰らせてもらった。

中央線に乗り換え、ホッとしたのも束の間、リュックにつけたマタニティマークが無くなっている事に気付く。
埼京線では確認したので、新宿の乗り換え時に落としてしまったのだろう。

物が物だけに、
落とす=子がいなくなるなんて不吉な考えが頭をよぎる。
なんて縁起が悪いんだ。
最寄駅で再度マタニティマークを貰うも、とぼとぼと帰路についた。

暫くすると安澄が帰宅。
今日の出来事を話しながら、落とした事を伝えると、「まぢで?」と目を見開いている。

新宿からの帰り道、フッと目に止まったマタニティマークを置いておけずに拾って帰ってきたのだという。
詳しく話し出すと、まさに私が通った道で、落としたであろう場所で拾った事が分かった。

私のしくじりをいつもこんな風にサラリと良い事に変えてくれるのは何だろう。
パンパンと柏手をうって、戻ってきたマタニティマークを縁起物として棚に飾った。



*何故妊婦用の諸々はマーク然り可愛いものが多いのか。
普段身に付けない物を身に付けるところから、思い通りにいかない育児を学べということか‥‥(んなわけない)。