2015年11月19日木曜日

入院生活

産後は直ぐに母子同室。
4畳半ほどの部屋に産まれたての娘と私、安澄の3人で早速川の字になって横になる。

産まれて2時間はどの赤ちゃんも必ず起きているらしく、娘も目をしっかり開いて時々手足をパタパタと動かしている。
時間が止まったような穏やかな時間。
やっと目を瞑った娘を挟んで、二人でお産を振り返る。
つい今しがたお産をしたばかりなのに、もう随分昔のよう。
安澄はそっと頭を撫でたり、腕に触れたりと忙しい。
同じような写真を何枚も何枚も撮っては笑っている。
そんなこんなであっという間に面会終了の九時になってしまい、安澄は帰宅。

新生児はだいたい寝ているからと助産師さんに言われて安心していたが、夜の一時頃から目をパッチリ開けてお乳を欲しがり、気付けば朝を迎えていた。
会陰切開をしていないとはいえ、まだお股は腫上がっていたので、流石に座りっ放しの授乳はきつかった(しかしこの吸いっぱなしが功を奏し、お乳の開栓がうまくいった様子。初産とは思えない!と助産師さんに褒めてもらえるほどに、お乳がばんばん出てくれる事となったので今となっては良しだけれど)。


ご飯は入院しているお母さんたちと机を囲んで食べる。
事前に受けていた講習会で顔を見ていた面々が、皆揃いも揃って赤ちゃんを小脇に抱え、当たり前だけれどもうお腹はぺったんこ。そして不思議な事にもうしっかりお母さんの顔をしている。
おめでとうございますと互いに言い合い、それぞれのお産話に花を咲かせながら箸を口に運ぶ。
退院して行く人、新しくお産を迎えて加わる人。
大人になってから友達を作るのが下手くそになってしまった私だけれど、赤子を介しているからかあっという間に仲良くなれる。
5日間の入院生活は合宿のようでとても楽しかった。


退院の前日の夜、入院中の皆の旦那さんも交えて乾杯をすることになった。
お酒の力もあいまって、みんなフワフワと興奮しながらのご飯。
それぞれの、家族としてのお産体験を話し、笑い、とても幸せな時間を過ごす。
こんな愛しい入院生活も今日で最後なんだなーと思うと少し淋しくもあった。


退院の日は朝からお産があり、幸せな産声とともに退院の準備をする。
朝ご飯を食べて、産まれたばかりの一家を囲んで皆で梅酒で乾杯。
今さっき産んだばかりのお母さんの神々しいまでに美しい姿にじーんとなる。
5日しか違わないはずなのに、生まれたての赤ちゃんは本当に小さくて新品そのものだった。

今日は退院にあわせて八戸から母がやってくる、待ちに待った日。
娘が産まれてからやっと会える母。
娘を抱いてもらえる嬉しさと、自分が産めたという誇らしさとでドキドキしながら到着を待つ。
面会時間よりも早く母は到着し、初めて実物の娘を抱く。
嬉しそうな顔が忘れられない。

退院前の産湯の指導や測定を終えて、いよいよ退院。
たまたま出産に立ち会ってくれた助産師さんが集合していたので、みんなで写真を撮る。
ありがとうございました!とお礼をいいながら、感謝と寂しさで今までこらえていた涙が放出。
こんなにも素直な時間を過ごす事が出来たのは助産師さんたちのお陰だと心底思う。







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